カテゴリ
以前の記事
2017年 02月 2013年 04月 2012年 06月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 外部リンク
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
昨年来の宿題です。
今回から3回連続の予定で三つのコンサートで想ったことを・・・ 2011年12月4日 ヴァイオリン:小林美恵 ピアノ :三谷温 於 :大成邸 長い表題ですがこのように限定された時代と地域による音楽会は珍しいかと。 主に19世紀半ばに活躍したハンガリーの作曲家リスト(両親はドイツ人)を中心にイタリア人のパガニーニ、スペイン人のサラサーテそしてドイツ人ベートーヴェンとオーストリア人のシューベルトの作品によるもの。 このように書くと何処がハンガリー音楽?という感じですが、19世紀はロマン派音楽が隆盛を極めた時代。国境があるようで無いに等しいほど、音楽家もヨーロッパの広い範囲を行き来していました。作曲家も演奏家も互いの音楽に刺激されて、音楽的発展を成し遂げて来たのだと思います。 コンサートの第一部は18世紀から19世紀初頭にかけてロマン派への橋渡しをした二人の作品。 シューベルトのヴァイオリンとピアノの為のソナチネ 作品137-1とベートーヴェンのスプリングソナタだった。 ヴァイオリンもピアノもまだ音が伸びず、硬い響き。コンサートの初めの曲はベテラン演奏者にとっても大変なんだろうと。 スプリングソナタは中級程度の学習者にも好まれて良く弾かれ、それだけにアラも目立ちやすい。 かつてピアノパートを受け持ったことがあって、その時は弾きにくい上に合わせ難い曲と思った。 今までもなかなか良い演奏には巡り合えなかったので、今回こそと期待して・・・ しかしこの日も二人の息がピッタリとは聴こえず、少々冷ややかなスプリングではあった。 ヴァイオリンの小林美恵さんは1990年、日本人初のロン=ティボー国際コンクールヴァイオリン部門の優勝者。その後は日本を始め世界各国で活躍。 ロン=ティボーコンクールはフランスのピアニスト、マルグリット・ロンとヴァイオリニストのジャック・ティボーが創設したピアノとヴァイオリンの為の国際コンクールです。 1943年に第1回が開催され、以来日本人ピアニスト、ヴァイオリニストも多く入賞を果たしていて、ピアノは1959年に松浦豊明が初優勝しています。 ピアノの三谷温さんは桐朋学園大学卒業後園田高弘の下で研鑽を積み、世界各国で活躍。 お二人とも演奏経験の豊富なベテラン演奏家です。 第二部は三谷さんのピアノソロで始まる。 リストのハンガリーラプソディー全19曲のうちの2番を。 リストの曲の中でも華やかで演奏技術の求められるこの曲は人気のもの。 テクニカルな細かいパッセージが延々と続き演奏者にとってはひどく緊張させられる。真面目な三谷さんに、もう少しリラックスしては等とは的外れな言葉だろう。 二曲目以降はヴァイオリン音楽の真骨頂とも言うべき作品を集めて演奏された。 悪魔のヴァイオリン弾きと異名がついたヴァイオリニストニコロ・パガニーニの「無伴奏ヴァイオリンの為の24のカプリース」NO.24。 ヴァイオリンの超絶技巧がこれでもかと言わんばかりに満載の、聴いても、見ても凄い!曲。 小林美恵さん曰く、この曲は若い頃コンクールで必ず弾いた「良い思い出の無い曲」とか。 「厭な思い出の曲」の山を累々と築いてきた私は妙に頷いてしまった(これは全くレベルの違う話で) 「今日は老骨に鞭打って(小林さんは未だ40代です)」の言葉に温かい笑い声が。 そして技巧だけでなく音楽の素晴らしさの伝わる充実した演奏に大きな拍手が沸き起こった。 次はシューベルト=リストの「ウイーンの夜会」 ピアノ曲をロシアの名ヴァイオリニストオイストラフがヴァイオリンとピアノのためにアレンジした曲。 最後にパブロ・サラサーテの「チゴイネルワイゼン」 ドイツ語では「ツィゴイネルワイゼン」と発音されるこの言葉は「ジプシー(ロマ)の旋律」という意味だそうだ。 派手で演奏困難な曲を易々と、しかも情熱的に弾かれて圧巻。 どの曲も演奏を重ねてすっかり手の内に入ったといった感のある、自由で楽しい表現・・・ 演奏者に釘付けとなってしまった。 大成邸では年間5~6回のサロンコンサートが開催されます。 学者でいらっしゃる大成さんとご家族の皆さんが心を込めて演奏者をお招きし、コンサートの終了後はお手尽くしのお料理とワインなどのお酒が並びます。もちろん美味しいケーキも。 例によって(コンサートの時は殆ど)カメラを持たないので、このアットホームなパーティーの様子をお伝え出来ないのが残念。次回機会がありましたら・・・ 演奏者も聴く人も一緒に舌鼓を打ちながらの歓談はあまり例の無い企画でしょう。 個人のお宅のホールですからそれほど広くないところが、コンサートをより贅沢なものにしています。 演奏者の息遣い、お話、直に見たり聴いたりと親密な雰囲気のサロンコンサートは今だからこそ求められるものではないでしょうか。 人々の心を繋ぐ素晴らしいコンサートを提供して下さいます大成様に感謝を込めて。
by akoy28
| 2012-01-07 17:06
| 音楽
|
ファン申請 |
||